SMエンターテインメントの新ガールグループ・Hearts2Hearts(ハーツトゥハーツ)が、デビューからわずか1年未満で15以上のブランドアンバサダー契約を獲得し、K-POP業界で大きな注目を集めています。
Calvin Klein(カルバンクライン)、Converse(コンバース)、ロッテ免税店、国民銀行、そしてソウル市の広報大使まで——なぜHearts2Heartsはこれほど多くの企業から選ばれているのでしょうか。本記事では、その背景と戦略を徹底分析します。
Hearts2Heartsとは
Hearts2Hearts(ハーツトゥハーツ、韓国語:하츠투하츠)は、2025年2月24日にシングルアルバム「The Chase」でデビューしたSMエンターテインメント所属の8人組ガールグループです。
基本情報
- 所属:SM Entertainment
- デビュー:2025年2月24日
- メンバー:カルメン(CARMEN)、ジウ(JIWOO)、ユハ(YUHA)、ステラ(STELLA)、ジュウン(JUUN)、エイナ(A-NA)、イアン(IAN)、イェオン(YE-ON)
- 構成:韓国人7人、インドネシア人1人(カルメン)
Hearts2Heartsは、2020年にデビューしたaespa以来4年ぶりのSM新ガールグループであり、2023年に創業者イ・スマンが退任して以降初のグループでもあります。8人のメンバーを擁し、2007年に9人でデビューした少女時代以来、SMで最大のガールグループとなっています。
ブランド契約一覧(2025年〜2026年)
Hearts2Heartsがデビューから約11ヶ月で獲得したブランド契約を時系列で整理します。
2025年2月
- SMGC(Mega MGC Coffee):SMとのコラボプロジェクト
- Musinsa(ムシンサ):韓国最大のファッションECプラットフォーム
2025年4月
- Seoul Spring Festa 2025:名誉アンバサダー就任
2025年6月
- W Korea × Chanel Beauty:雑誌デジタルカバー
- Scarlett(スカーレット):インドネシア発ビューティーブランド
- Binggrae(ビングレ):韓国食品メーカー
- ソウル市:広報アンバサダー
- Converse(コンバース):2025年秋シーズンキャンペーン
2025年7月
- Barenbliss(バレンブリス):コスメブランド
- 2aN(トゥエイエヌ):韓国コスメブランド
2025年8月
- 国民銀行(Kookmin Bank):韓国大手銀行
- Shopee Indonesia:東南アジア最大EC
2025年9月
- Calvin Klein(カルバンクライン):秋冬デニムコレクション
2025年10月
- Lily Brown(リリーブラウン):日本発ファッションブランド
- Converse:冬シーズンキャンペーン(2回目)
2026年1月
- ロッテ免税店:プロモーションモデル
月平均1.3件以上のペースでブランド契約を獲得しており、これはK-POP新人グループとして異例の数字です。
なぜHearts2Heartsは選ばれるのか:3つの背景
1. SM新体制の「商業化」加速
2023年、SMエンターテインメントは創業者イ・スマン氏が退任し、経営体制が大きく変わりました。新体制のSMは、より積極的なマネタイズ戦略を推進しています。
Hearts2Heartsは、この新体制下で初めてデビューしたガールグループです。つまり、最初から「商業的成功」を強く意識して育成されたグループと言えます。
2. 「8人体制」の戦略的意味
Hearts2Heartsが8人という大人数編成になった理由の一つに、ブランド契約があります。
メンバーが多いほど、個人単位でのブランド契約の可能性が広がります。また、グループ全体で起用した場合の「画面の賑やかさ」も、広告において重要な要素です。少女時代(9人)、TWICE(9人)など、歴代の成功したガールグループが大人数だったことを考えると、SMの判断は合理的と言えるでしょう。
3. aespaとの差別化
aespa(エスパ)は4人組で、メタバースやAIといった世界観を重視したグループです。一方、Hearts2Heartsは「親しみやすさ」「清潔感」を前面に出しています。
Calvin KleinやConverseのようなグローバルブランドが選んだ理由も、この「汎用性の高さ」にあると分析できます。どのようなブランドイメージにも合わせやすい、という強みです。
カテゴリ別分析
ファッション・ラグジュアリー系
最も注目すべきは、Calvin KleinとConverseという世界的ブランドの起用です。
Calvin Kleinは2025年9月、秋冬デニムコレクションのプロモーションモデルにHearts2Heartsを選出しました。NewJeans(ニュージーンズ)が2025年春キャンペーンに起用されたことを考えると、Calvin KleinはK-POPグループを積極的に活用していることがわかります。
Converseは2025年6月と10月の2回、Hearts2Heartsをキャンペーンに起用。「Chuck Taylor All Star Elements Boot」のプロモーションでは、冬のロマンチックな雰囲気を演出しました。
コスメ・ビューティー系
2aN、Scarlett、Barenblissなど、複数のコスメブランドと契約しています。注目すべきは地域の分散です。
- 2aN:韓国
- Scarlett:インドネシア
- W Korea × Chanel Beauty:韓国×フランス
東南アジア市場を意識した契約が目立ち、グローバル戦略の一環であることがうかがえます。
金融・公共機関系
国民銀行(Kookmin Bank)とソウル市という、信頼性を重視する組織からの起用は特筆すべきポイントです。
金融機関や自治体がアイドルを起用する場合、「クリーンなイメージ」が絶対条件になります。Hearts2Heartsは、デビュー直後からこの条件を満たしていたと言えます。
EC・小売系
Musinsa、Shopee Indonesia、ロッテ免税店。いずれもEコマースや小売に関連しています。特にShopee Indonesiaは東南アジア最大のECプラットフォーム、ロッテ免税店は観光客をターゲットにした小売です。
つまり、Hearts2Heartsは「購買につながる」グループとして認識されています。
他のSMグループとの比較
Hearts2Heartsのブランド契約数を、他のSMグループのデビュー1年目と比較してみましょう。
- aespa:デビュー1年目で約5〜6件
- NCT DREAM:デビュー1年目で約3〜4件
- Hearts2Hearts:デビュー1年目で15件以上
この差は、SMの戦略変化を如実に示しています。新体制のSMが、いかにブランドビジネスを重視しているかがわかります。
今後の展望
海外ブランドの増加
2026年3月にはニューヨークとロサンゼルスで北米ショーケースが予定されています。これに伴い、アメリカのブランドからのオファーが増える可能性があります。
個人単位の契約開始
現在はグループ全体での契約が中心ですが、今後はメンバー個人でのブランド契約も始まるでしょう。特に、ステラ(STELLA)はデビュー前から32社のオファーを受けていたという報道があります。個人契約が始まれば、グループ全体の収益はさらに拡大することが予想されます。
日本市場の本格開拓
Lily Brown(リリーブラウン)との契約は、日本市場を意識したものです。2026年1月にはSMTOWN LIVE福岡にも出演予定であり、日本のブランドからのオファーも増えることが予想されます。
まとめ
Hearts2Heartsのブランド戦略から見えてくるのは、SM新体制の明確な方向性です。
- デビュー1年で15以上のブランド契約を獲得
- Calvin Klein、Converse、ロッテ免税店など多様なカテゴリをカバー
- 「親しみやすさ」「クリーンなイメージ」が企業に選ばれる理由
- 8人体制による契約機会の最大化
Hearts2Heartsの成功は、他の事務所にも影響を与えるでしょう。「デビュー前からブランド契約を視野に入れた育成」「大人数編成による契約機会の最大化」といった戦略が、業界標準になる可能性があります。
今後もHearts2Heartsのビジネス展開に注目していきたいと思います。