2026年2月2日、K-POP業界にとって歴史的な瞬間が訪れました。Netflix映画『K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ』の主題歌「Golden」(ゴールデン)が、第68回グラミー賞で「最優秀視覚メディア楽曲賞」(Best Song Written for Visual Media)を受賞。K-POP楽曲として史上初のグラミー賞受賞という快挙を達成しました。
本記事では、この歴史的な受賞の詳細と、「Golden」が達成した驚異的な数字を徹底分析していきます。
グラミー賞受賞の概要
まず、今回の受賞について整理しましょう。
- 授賞式:第68回グラミー賞(2026年2月2日、ロサンゼルス・クリプト・ドットコム・アリーナ)
- 受賞部門:Best Song Written for Visual Media(最優秀視覚メディア楽曲賞)
- 楽曲:「Golden」(ゴールデン)
- アーティスト:HUNTR/X(ハントリックス)
- 歌唱担当:EJAE(イジェ)、Audrey Nuna(オードリー・ヌナ)、Rei Ami(レイ・アミ)
「Golden」は「年間最優秀楽曲賞」(Song of the Year)にもノミネートされており、K-POP楽曲として主要4部門へのノミネート自体が史上初のことでした。最優秀楽曲賞の受賞は逃したものの、映像作品向け楽曲賞での受賞は、K-POP業界にとって大きな一歩となりました。
Billboard Hot 100での驚異的なチャート推移
「Golden」のチャート成績は、まさに異次元と言える数字を記録しています。
週ごとの順位推移
- デビュー週:81位
- 2週目:23位(+58ランクアップ)
- 3週目:6位
- 4週目:4位
- 5週目:2位
- 6週目:2位
- 7週目:1位獲得
そして驚くべきことに、8週連続で1位をキープしました。これはK-POP楽曲としては驚異的な記録です。
英国・グローバルチャートでの成績
- 英国オフィシャルチャート:9週連続1位
- Billboard Global 200:1位(18週間トップを維持)
- Billboard Global Excl. U.S.:1位
ストリーミング数の詳細分析
チャート1位獲得後もストリーミング数が伸び続けているのが「Golden」の特徴です。
- 最新週の米国内ストリーミング:2,890万回(前週比+13%)
- チャートトップ10入り時点:1,880万回(前週比+39%)
- エアプレイ:95万回
- デジタルダウンロード:3,000件
通常、ピークを迎えた楽曲は徐々に再生数が減少していきますが、「Golden」は1位獲得後も13%増加を記録。ロングヒットの兆候を見せています。
48年ぶりの記録更新:サウンドトラック全体の成功
「Golden」だけでなく、『K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ』のサウンドトラック全体が歴史的な記録を打ち立てました。
Billboard Hot 100のトップ10に、このサウンドトラックから4曲が同時ランクイン。これは1977年の映画『サタデー・ナイト・フィーバー』以来、48年ぶりの快挙です。当時は3曲同時ランクインでしたので、それを上回る新記録となりました。
Netflix視聴数:史上最多の映画に
映画本体の視聴数も驚異的です。
Netflix視聴記録
- 91日間の追跡期間終了時点(2025年9月):3億2,510万回
- 2025年12月時点:5億回超え
- 配信開始後93か国でトップ10入り
- Netflix史上最多視聴の映画(アニメ・実写含む全作品で1位)
他作品との比較
この数字がどれほど異常かを比較してみましょう。
- 『レッド・ノーティス』(ドウェイン・ジョンソン主演):2億3,090万回
- 『イカゲーム』シーズン1:2億6,650万回
アニメーション映画でありながら、実写の大作映画や社会現象となった『イカゲーム』を大幅に超えた視聴数を記録しています。Netflix開始10年で、これほど視聴された作品は他にありません。
商業的成功:10億ドル超のフランチャイズへ
映画の人気は、関連ビジネスにも大きな波及効果をもたらしています。
- シングアロング上映(北米):2日間で1,920万ドル(約29億円)の興行収入
- Netflix公式グッズ売上:400%アップ
- フランチャイズ価値:10億ドル超の可能性(ディズニー『アナと雪の女王』に匹敵)
批評的評価も高水準
数字だけでなく、評価も非常に高いのが特徴です。
- Rotten Tomatoes批評家スコア:97%
- Rotten Tomatoes観客スコア:92%
批評家と一般観客の両方から高評価を得ている作品は稀であり、「Golden」の成功は作品の質に裏打ちされたものと言えます。
ゴールデングローブ賞でも2冠達成
グラミー賞受賞に先立ち、「Golden」は2026年1月11日の第83回ゴールデングローブ賞でも主題歌賞を受賞しています。
歌唱を担当したEJAE(イジェ)は、この部門で受賞した初の韓国系アメリカ人となりました。また、映画本体もアニメ映画賞を受賞し、2冠を達成しています。
EJAEの受賞スピーチ
グラミー賞の受賞スピーチでEJAEはこう述べました。
「グラミー賞を韓国人として受賞することを誇りに思う。韓国という国を知らない人がまだまだいる中で、世界中の人が『Golden』の歌詞を覚えて口ずさんで歌ってくれていることは素晴らしいことだし、そこには大切な意味がある」
「この賞をもらうことは文化を称賛し、団結させることを象徴している」
EJAEは10年間K-POPアイドルを目指して活動し、「声が十分じゃない」「韓国人すぎる」「アメリカ人として十分じゃない」と何度も拒絶された経験を持っています。ゴールデングローブ賞受賞時には「拒絶は方向転換のチャンス。諦めないで。輝くのに遅すぎることはない」とメッセージを送っていました。
K-POP業界への影響と今後の展望
この受賞がK-POP業界にとってどんな意味を持つのか、考察してみましょう。
K-POPとグラミー賞の歴史
これまでK-POPアーティストのグラミー賞挑戦は、BTSが3年連続でノミネートされながらも受賞を逃すなど、「壁」の存在が指摘されてきました。今回の「Golden」の受賞は、その壁を初めて突破したことになります。
ただし、注目すべき点があります。「Golden」は実在のK-POPグループではなく、アニメ映画の架空グループHUNTR/X(ハントリックス)の楽曲です。歌唱を担当したEJAE、Audrey Nuna、Rei Amiは韓国系アメリカ人のシンガーソングライターです。
つまり、「K-POPという文化・ジャンル」としての受賞であり、「K-POPアイドルグループ」としての受賞ではない、という見方もできます。
今後予想される変化
この受賞により、以下の変化が予想されます。
- K-POP×映像作品の増加:アニメやドラマとK-POPの融合プロジェクトが増える可能性
- 4大事務所の戦略変化:HYBE、SM、YG、JYPが映像作品向け楽曲に注力する可能性
- 韓国系アメリカ人アーティストの台頭:EJAEらのようなルーツを持つアーティストへの注目度アップ
- 続編への期待:『K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ2』は2029年公開予定
まとめ:数字で見る「Golden」の歴史的快挙
最後に、「Golden」が達成した主要な数字をまとめます。
- グラミー賞:最優秀視覚メディア楽曲賞受賞(K-POP史上初)
- Billboard Hot 100:8週連続1位
- 英国チャート:9週連続1位
- サウンドトラック:4曲同時トップ10入り(48年ぶりの記録更新)
- Netflix視聴数:5億回超え(史上最多映画)
- Rotten Tomatoes:批評家97%、観客92%
- 商業的成功:シングアロング上映2日間で1,920万ドル、グッズ売上400%アップ
「Golden」の成功は、K-POPという文化が世界的に認知され、最高峰の音楽賞でも評価される時代が来たことを象徴しています。今後のK-POP業界の動向にも注目していきましょう。