BTSのワールドツアー「BTS WORLD TOUR 2026」の釜山公演が発表された直後、周辺ホテルの料金が最大10倍に高騰するという事態が発生しました。この問題に対して、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が自ら「悪質な横暴」と警告し、釜山市も緊急対策に乗り出すという異例の展開となっています。
この記事では、ホテル料金高騰の実態、過去の類似事例、大統領と釜山市の対応、そして今後の展望について徹底分析します。
BTSワールドツアー釜山公演の概要
2026年1月14日、BTSの所属事務所HYBEは、BTSのワールドツアー「BTS WORLD TOUR 2026」を発表しました。このツアーは世界34都市、79公演という、K-POP史上最多規模のツアーとなります。
その中で、韓国公演は釜山(プサン)で6月12日と13日の2日間開催されることが発表されました。
特に注目すべきは、6月13日がBTSのデビュー記念日であるという点です。2013年6月13日にデビューしたBTSにとって、2026年は13周年という節目の年。さらに、釜山はメンバーのジミンとジョングクの出身地でもあります。
デビュー日に、メンバーの故郷で公演。これはファン(ARMY)にとって特別な意味を持つ公演であり、世界中から多くのファンが釜山に集まることが予想されました。
ホテル料金高騰の実態:具体的な数字で見る
ワールドツアーの発表直後、釜山の主要エリアでホテル料金の急激な値上げが確認されました。具体的な数字を見てみましょう。
海雲台(ヘウンデ)駅周辺
- 通常時:7万ウォン〜30万ウォン(約7,500円〜3万円)
- 公演期間中:70万ウォン〜120万ウォン(約7万5千円〜13万円)
- 上昇率:4〜10倍
東莱区(トンネク)
- 通常時(6月10日):6万8千ウォン(約7,300円)
- 公演期間中:76万9千ウォン(約8万円)
- 上昇率:10倍以上
機張郡(キジャングン)
- 通常時:9万8千ウォン(約1万円)
- 公演期間中:43万1千ウォン〜50万2千ウォン(約4万6千円〜5万円)
- 上昇率:約5倍
特に衝撃的なのは、東莱区の例です。公演のわずか2日前から当日にかけて、同じ部屋の料金が10倍以上に跳ね上がるという事態が発生していたのです。
なぜこれが大きな問題なのか
ホテル料金は需要と供給によって変動するのが市場原理です。しかし、今回の問題が大きく取り上げられているのには、いくつかの理由があります。
1. 大統領が直接言及するという異例さ
通常、ホテルの価格設定に大統領が言及することはありません。しかし、李在明大統領が自らこの問題をSNSで取り上げたということは、単なる市場原理の話ではなく、国家レベルの問題として認識されていることを示しています。
2. 韓国の国家イメージへの影響
K-POPは韓国の重要な輸出産業であり、ソフトパワーの象徴です。BTSのコンサートに世界中からファンが集まる中で、「韓国に行ったらぼったくられる」というイメージが広がることは、観光産業全体にとって大きなマイナスとなります。
3. 繰り返される問題
実は、この問題は今回が初めてではありません。構造的に繰り返されている問題なのです。
過去の類似事例:繰り返されるホテル料金高騰問題
2022年10月:BTS釜山万博誘致コンサート
BTSが「2030釜山世界博覧会誘致祈願コンサート」を開催した際、会場周辺のホテルが料金を大幅に引き上げ、「ぼったくり」として国際的に報道されました。この時も大きな批判を受けましたが、根本的な解決には至りませんでした。
2025年10月:JINアンコールコンサート
BTSのメンバーJIN(ジン)のアンコールコンサートが仁川(インチョン)で開催された際、周辺ホテルの料金が20倍に高騰したという報告がありました。あるファンは、5,000円で予約していた部屋が「価格が間違っている」として一方的にキャンセルされ、107,500円(107万5千ウォン)に値上げされていたことを告発しています。
4年前にも同じことが起き、1年前にも同じことが起き、そして今回また同じことが起きている。これは明らかに構造的な問題です。
李在明大統領の警告
2026年1月16日、韓国の李在明大統領は自身のX(旧Twitter)で、この問題に関する韓国メディアの記事を共有し、強い言葉で警告しました。
「市場全体の秩序を崩し、皆に大きな被害を与える悪質な横暴は、必ず根絶しなければならない」
「不当に取得した利益よりも損害がはるかに大きくなるようにしなければならない」
大統領がこのような強い言葉で問題を指摘したのは、単なるホテル料金の問題を超えて、韓国の国際的なイメージ、そしてK-POP産業の持続可能性に関わる問題だと認識しているからでしょう。
釜山市の対応:QRコード通報システムの導入
大統領の発言を受けて、釜山市も即座に動きました。
2026年1月17日、釜山市は「ぼったくり料金QR通報システム」を本格的に運用すると発表しました。
システムの仕組み
- 観光客がQRコードをスキャン
- 不当な料金を通報
- 通報内容が韓国観光公社を経由
- 管轄の自治体と関連機関に即時伝達
追加の対策
- QR通報案内のステッカーやポスターを宿泊施設に配布
- 市のホームページに案内バナーを掲載
- 来週から区・郡と合同で現場点検を実施予定
実効性への疑問
ただし、このシステムにどの程度の法的拘束力があるのかは不明確です。通報されたホテルに対してどのような措置が取られるのか、現時点では「点検」と「指導」にとどまる可能性が高く、実効性については疑問が残ります。
事務所(HYBE)の視点
HYBEからの公式発言はありませんが、この問題は事務所にとっても無視できない課題です。
ワールドツアーの成功には、世界中のファンが参加できることが不可欠です。ホテル代の高騰は、特に遠方から来るファンにとって大きな負担となり、参加を断念する人も出てくるでしょう。
これは、ツアーの盛り上がりにも影響しますし、長期的には「韓国公演は行きづらい」というイメージにつながりかねません。業界全体の課題として認識されているはずです。
今後の展望
短期的な予測
釜山市の点検によって、一部の施設が価格を是正する可能性はあります。実際、2025年のJINアンコール公演の際も、SNSで批判を受けた施設が価格を下げたという報告があります。
ただし、法的拘束力がない以上、すべての施設が対応するとは限りません。
長期的な課題
この問題がK-POP産業全体の課題として認識され、韓国政府や観光公社がより実効性のある対策を打ち出すかどうかが注目されます。
また、事務所側からも何らかの働きかけがあるのか、今後の動向を見守る必要があります。
ファンとして知っておくべきこと
釜山公演への参加を検討しているファンの方々に向けて、いくつかのアドバイスをまとめます。
1. QRコード通報システムの活用
不当だと感じる料金設定を見つけたら、釜山市のQRコード通報システムを活用しましょう。通報が増えることで、行政の対応も強化される可能性があります。
2. 予約確定後の値上げへの対応
予約確定後に一方的な値上げやキャンセルを求められた場合、拒否できる場合があります。予約時の料金や確認メールは必ずスクリーンショットで保存しておきましょう。
3. 周辺都市への宿泊も検討
釜山中心部のホテルが高騰している場合、周辺都市(慶州、蔚山など)に宿泊して当日移動するという方法もあります。交通費を含めても、釜山のホテルより安くなる可能性があります。
4. SNSでの情報共有
どの施設が不当な値上げをしているか、逆にどの施設が良心的な価格なのか、ファン同士で情報を共有することが大切です。SNSでの情報共有は、問題を可視化し、改善を促す力になります。
まとめ
BTSの釜山公演発表後のホテル料金高騰問題は、K-POP業界が抱える構造的な課題を浮き彫りにしました。
- 周辺ホテルの料金が最大10倍に高騰
- 李在明大統領が「悪質な横暴」と警告
- 釜山市がQRコード通報システムを導入
- 過去にも同様の問題が繰り返されている
今回の大統領の発言と釜山市の対応が、どの程度の実効性を持つのか。そして、K-POP業界全体として、この問題にどう向き合っていくのか。今後の動向が注目されます。
ファンとしては、情報を共有し、不当な料金には声を上げることで、少しでも状況の改善に貢献できればと思います。